狂ったいのししが通ります

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【教育】「変形労働時間制」に物申したい

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こんにちわ。

今回は、昨今話題に挙がっている「変形労働時間制」についての簡単な解説と、その制度について物申したいと思います。

 

変形労働時間制について

 

「変形労働時間制」が考えられた背景

この制度ができた背景には「教員の働きすぎ問題」があります。
「学校の先生が夜遅くまで学校に残っている」という事実は、皆さんもご存じだと思います。

 

僕自身も、土日の部活を含む時間外勤務時間は、毎月80時間を越えます。

 

「残業時間の長さ」も大きな問題ですが、もうひとつ「給特法」という法律も問題の一つになります。

 

この「給特法」は、教員の残業時間が短かったころに制定されたもので、
「給料の4%を実質の残業代として支給する」という法律です。

 

25万円もらっている人は、1万円の残業代が出るということです。

 

残業80時間、100時間を超える方もいる中で、残業代として給料の4%。
「給特法」は定額働かせ放題」プランであるといえます。

 

この事実がネット上で明らかになり、「教員の働き方改革」と叫ばれるようになり、「変形労働時間制」が考えられるようになり、内閣府閣議決定がされました。

 

「変形労働時間制」とは?

ここで「変形労働時間制」の内容についてザックリ説明します。

 

「変形労働時間制」とは、平月の勤務終了時間を17時→19時までと変更し、伸びた分の2時間を、閑散期と呼ばれる時期(夏休みなど)に振替として勤務時間を短くするという働き方です。

 

例として、毎日20時頃まで仕事(部活なども含む)をしている僕は、3時間の時間外勤務が1時間になるということです。

 

「教員は夏休みもあるし、勤務しなくていいなんて最高じゃん」と思われる方もいらっしゃると思いますが、この制度には多くの問題点があります。

 

 

「変形労働時間制」の問題点

 

「帰る時間は変わらない問題」

先ほども説明しましたが、結局は「勤務時間が長くなり、時間外勤務が短くなっただけ」ということで、平月の帰る時間に関しては何も変化していないということです。

 

教員の年間の残業時間は短くなりますが、それは業務が減ったのではなく、「残って仕事している時間の一部を勤務時間にした」ということになり、実際には何の改善にもなっていません。

 

「むしろ帰る時間遅くなる問題」

この項目に関しては僕の推測になりますが、「変形労働時間制」が採用されると、むしろ帰る時間が遅くなると予想しています。

 

要因としては、
① 会議が19時ギリギリまで行われるようになる可能性
② 仕事終わりの保護者が気軽に電話できるようになる

 

会議が17時以降にも行われるようになれば、授業準備や家庭連絡の時間もその分遅れてしまいます。さらに言えば、家庭のある教員は「子の送迎」などにも支障が出てくると考えられます。「まわり19時まで勤務するのに、子どもの迎えで17時に帰るんだ」と考える人も0ではないと思います。

 

そして「19時までが勤務時間」と考える保護者からは、「まだ18時50分だから〇〇先生学校にいるな」と考えられるようになり、それから家庭訪問や生徒指導に発展するパターンも容易に想像できます。

 

「閑散期なんてない問題」

長期休業日の業務について簡単に説明します。

・ 部活
・ 事務処理
・ 研修(学期中は時間が取れないため)
・ 出張(上に同じ)
・ 教材研究
・ 臨時の生徒指導
・ 教室などの環境整備
・ 地域や小中学校との連携

など、多岐にわたります。

 

長期休業日の勤務時間の短縮に充てられても、ほとんどの教員は学校に来て仕事をするのが分かりきっています。

 

「年休が流れていく問題」

そもそもこの制度は、「長期休業日の総勤務時間」と「延びた分の総時間」が等しくないと成立しません。

 

しかし現実には、「延びた分の総時間」がはるかに上回ります。
かりにその時間を、学期中の勤務時間に割り振ると考えましょう。

 

実際にはその割り振られた時間の中でも業務を行うことになりそうですが、「好きな日」「好きな時間」に割り振られるようになると、年度開始の時にもらえる「年休」の使いどころを失うことにつながります。

 

そうなった場合、年度末に年休が流れてしまうという事態に陥ってしまいます。現状況でも流れてしまっている年休が、さらに流れていきやすい状況になるのは困ります。

 

「変形労働時間制」に物申す

この「変形労働時間制」に賛成したものたちは、来年度から一年間学校現場の最前線で働きなさい。担任も教科も部活もちゃんと持って、土日は練習試合や公式戦、運営にも携わりなさい。「部活に強制力はない」と言うだろう。そうであれば「19時までが勤務になったなら、どんどん部活できますね」と言ってくる保護者・地域にちゃんと言いなさい。

 

そして家庭に多大なる迷惑をかけ、愛する我が子に寂しい思いをさせて、「労働」にみあった「報酬」が支払われているかどうか考えてみなさい。時給の換算すると手っ取り早いよ。

 

そのうえで「変形労働時間制」について考えてみるといい。
一年間の現場生活の中で、同じ教員に話を聞いてみるのもありだな。

 

そうすることで、「教員の働く環境って、むしろ悪くなったんじゃ…?」
ということに気付くでしょう。

 

現場で働く教員や、専門家の話を聞くだけではリアルを感じないよね。
じゃあ自分で動いて、見て、聞いて、体験して、考えて、自分の意見を持って。

 

それも教育に携わる者として、大事な社会見学だと思います。

 

自分自身、勉強不足な部分もあります。
もしかしたら誤解している部分もあるかもしれませんので、気付いた方はお知らせいただけると助かります。